ハードウェア

2905M

X線フィルムなどの透過試料の黒白画像を読みとり、デジタルデータとしてコンピュータに転送するためのイメージスキャナ。

医療機器認証番号:21400BZZ00160000



旧型の2905(Scsi接続タイプ)をご使用のお客さまへ


平素はアレイ製品をご愛用いただき、厚くお礼申し上げます。
旧型の2905型(Scsi接続タイプ)は2006年に製造を中止しており、保守サービスにつきましても2016年6月末日をもって終了させていただきました。
なお、現行の2905M型(USB接続タイプ)につきましては、今後も販売・保守サービスを継続いたしますので、今までと変わらぬご愛顧を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
ご不明の点につきましては、弊社営業担当者にお問い合わせください。
旧型の2905型(Scsi接続タイプ)は2016年7月1日以降、「修理」や「端末のみ更新」などのお取り扱いはできません。2905本体を現行機2905M(USB接続タイプ)に更新していただくことになりますが、どうかご理解のうえ、ご容赦くださいますようお願い申し上げます。


概要

レーザーフィルムデジタイザー2905Mは、X線フィルムなどの透過試料の黒白画像を読みとり、デジタルデータとしてコンピュータに転送するためのイメージスキャナです。 2905Mでは、レーザーを使用しているため、読み取りが難しい濃い部分もきれいに、かつ、高速で読み取ることが可能です。 また、インターフェイスとしてUSB2.0を採用しているので、データ転送も高速に行えます。
2905Mは、最大100枚までのサイズの違うフィルムをまとめてスキャンできるオートフィーダーや、100mm幅のロールフィルムをスキャンするためのロールフィルムアダプタといったオプションも充実しています。 さらに、オプションのArray AOCと組み合わせることで、スキャン画像をDICOM通信でイメージサーバーに送信したり、DICOMイメージャで高品質等倍デジタルデュープを簡単に作成することもできます。

特長

高画質スキャン

フィルムデジタイザーの画質を決めるポイントは画像の暗い部分の再現性です。
2905Mは標準でも光学濃度4.3(高濃度オプションでは光学濃度4.7)まで対応する広いダイナミックレンジを持ち、画質、とくに階調再現性に優れています。
レーザーだから高濃度の部分もノイズが目立たず。CCDでは再現が難しいとされる暗い部分の微妙な濃淡も確実にデジタル化します。
また内部14bits、出力12bits(4096階調・光学濃度にリニア)のA/Dコンバーターを採用。きめの細かい自然なトーンが得られます。
ピクセル間隔は50μmから200μmまで1μm単位で指定可能、高画質が欠かせないマンモグラフィーから一般撮影まで画像の特性に合った条件でスキャンできます。

ドイツが認めた実力

2905シリーズは、2003年ドイツのBAM(Bundesanstalt fur Materialforschung und-prufung:連邦材料研究・試験所)の厳しいテストを経て、同所から世界最初のDS9グレード(高濃度オプション実装時。標準でもDB9グレード)のフィルムデジタイザーとして認定されました。

長尺フィルム・特殊サイズフィルムに対応

下肢の撮影に使用する14″×42″などの長尺フィルムや特殊なサイズのフィルムのスキャンが可能です。*

* フィルムの短辺の長さが364mm以下のものが対象です。

高速スキャン

半切フィルム(14″×17″)を約6秒でスキャンする(200μm、標準モード)ことができます。
CCD方式のフィルムデジタイザーと比べ、2905Mのスキャンの早さは一目瞭然です。

スキャン画像のDICOM通信

オプションのArray AOC(スキャンオプションつき)と組み合わせると、スキャン画像をDICOM通信でイメージサーバーやイメージャに送ることができます。
画像分割機能が組み込まれているので、マルチイメージフィルム(1枚に複数のコマが配置されたフィルム)をスキャンする場合、自動的に画像を各コマに分割・位置合わせできます。

高画質等倍デジタルデュープの作成

オプションのArray AOC(スキャンオプションつき)とDICOMイメージャを使うと、オリジナルフィルムと同じサイズの高品質”デジタルデュープ”を作成できます。

1回のスキャンでイメージサーバーへの送信とデジタルデュープの作成が同時にできるほか、コピー感覚でイメージサーバーへの送信なしでデジタルデュープを作成する”コピーモード”があります。また、デジタルデュープには、デュープであることを示す文字が入れられます。

機能

  • 高画質・高速スキャン
  • 長尺フィルムや特殊サイズフィルムのスキャンに対応
  • 最大100枚までのフィルムをまとめてスキャン(オプション)
  • DICOMイメージサーバーへの送信(オプション)
  • 高品質等倍デジタルデュープの作成(オプション)

オプション

■ オートフィーダー AF3
異なるサイズのフィルムを最大100枚までまとめてスキャンできる装置です。 手差しで1枚づつスキャンすることもできます。

■ Array AOC(スキャンオプションつき)
2905Mの機能・性能をフルに活用するアレイのDICOM画像ビューアーソフトです。 2905Mでフィルムをスキャンし、患者名などの属性情報(ワークリスト・日本語に対応)を付加してDICOMイメージサーバーに送信できます。マルチフレーム画像は自動的に分割できます。 また、DICOMイメージャと接続すると、高画質等倍デジタルデュープを簡単に作成できます。

仕様

スキャン対象 X線フィルムの透過濃度
測定濃度範囲
  • 0.00 – 4.30
  • 0.00 – 4.70(高濃度オプション)
フィルムサイズ 自動認識できるサイズは次のとおりです

  • 14″×17″(縦)
  • 14″×14″
  • 11″×14″(縦・横)
  • 10″×12″(縦・横)
  • 8″×10″(縦・横)
  • 5″×12″(縦)
  • B4(縦・横)
  • 18cm×43cm(縦)
  • 30cm×40cm(縦)
  • 20cm×40cm(縦)
  • 15cm×40cm(縦)
  • 30cm×35cm(縦・横)
  • 30cm×30cm
  • 24cm×30cm(縦・横)
  • 15cm×30cm(縦)
  • 24cm×24cm
  • 18cm×24cm(縦)
読み取りピッチ 50µm – 2,000µm(1µm単位で設定可)
読み取り時間 約6秒(14″×17″/標準モード/200µmピクセル)
光源 He-Neレーザー波長633nm
センサー フォトマルチプライヤ
スキャン方式 ポリゴンミラー+f-θレンズ
A/Dコンバータ 14bits 16,384階調
内蔵LUT 入力:14bits/出力:16bits
搭載メモリ 標準24MB
スムージング スーパーサンプリングによるデジタルスムージング(高画質・標準モード)
インターフェイス USB2.0
ドライバ対応OS Windows 11
Windows 10(64bit版、32bit版)
外形寸法 W526×H330×D766mm
質量 約56kg
電源 AC 100V 50/60Hz
消費電力 500W
付属ソフトウェア 2905 Scan Suite

  • スキャン
  • 表示階調変更
  • 連続ズーム
  • 光学濃度計測機能
  • 各種画像ファイルの出力
  • TWAINデータソース
  • 簡易スキャンプログラム
  • モアレ低減モード

資料ダウンロード

FAQ

どんな製品ですか?

フィルムデジタイザー2905Mは、フィルム用のイメージスキャナです。 フィルムの画像を読み取ってコンピューターシステムで利用するためのデジタル画像入力装置です。 主にX線フィルムを読み取りの対象としています。

どんな目的で使うものですか?

■ 医療用X線フィルムのスキャン
医療用のX線フィルムをスキャンし、デジタル化した画像をコンピューターシステムで利用するために使います(ただし歯科の場合は、パノラマのみに対応しています)。

■ 工業用非破壊検査
工業用の非破壊検査に用いられ、例えばガス管、金属の溶接部分、航空機の翼、金属等の生産過程および使用過程の劣化状況などを検査するために使います。

■ 文化財などのX線フィルムのスキャン
文化財の出土品などのX線フィルムをスキャンし、デジタル化した画像で、隠し絵や劣化状況を調査するために

どこが優れているのですか?

■ 高画質
画質、とくに階調再現性に優れています。光学濃度4.3(2905HDでは光学濃度4.7)までに対応する広いダイナミックレンジを持っていて、濃い部分の画像もきれいに読み取ることができます。また内部14bits、出力12bits(4096階調・光学濃度にリニア)で豊かな階調を実現します。

■ スキャン画像のDicom通信可能
別売のArray AOC(スキャンオプションつき)と組み合わせると、スキャン画像をDICOM通信でイメージサーバーやイメージャに送ることができます。 画像分割機能が組み込まれているので、スキャン画像を複数のコマに分割することもできます。

■ 各種コンピュータ用ソフトウェア付属
各種ビューワつきスキャンアプリケーション、簡易スキャンプログラム、TWAINデータソースなどの各種コンピュータ用ソフトウェアがバンドルされています。

■ 専用アプリケーションソフトウェア
別売のArray AOCの専用スキャンオプションで、次のことが可能です。
Dicomイメージサーバへのストア
Dicomイメージャを使った等倍・高画質デジタルデュープの作成
– モアレ低減モードで、グリッドやラスターのある画像のモアレを最小限に抑制

オプションや関連製品はありますか?

オプション、関連製品として、次のものをご用意しています。

■ オートフィーダー
自動的にフィルムをセットするオプションです。 現在販売している機種AF3は、100枚のフィルムをセットすることができます。サイズの異なるフィルムを混在できます。 詳しくは後述のオートフィーダーに関するご質問と回答をご覧ください。

■ Array AOC(スキャンオプションつき)
2905Mでの画像スキャン機能を持ったDicom画像ビューワです。 スキャン画像に患者名などの属性情報(ワークリスト・日本語に対応)を付加してDicomデータとしてサーバーに送信します。 マルチフレーム画像は自動的に分割できます。 また、Dicomイメージャと接続すると、等倍・高画質のデジタルデュープを簡単に作成できます。 サーバー機能版もご用意しています。 詳しくは、Array AOCの説明をご覧ください。

Dicomサービスクラスは何をサポートしていますか?

別売のArray AOC(スキャンオプションつき)が次のDicomサービスクラスをサポートしています。

  • Dicom Storage SCP / SCU
  • Dicom Query & Retrieve SCU
  • Dicom Print SCU
  • Dicom Modality Worklist Management SCU(オプション)

納期はどのくらいですか?

通常はお客様ご発注後、約2か月です。

保守契約はありますか?

定価の10%で、年間サポート契約をご用意しています。 詳細は営業担当者またはアレイのセールス・サポート部までお問い合わせください。

半切フィルム(14″×17″)の場合、ピクセル(画素)間隔をどの程度でスキャンし、画像のデータサイズはどのくらいですか? また、スキャン時間はどのくらいですか?

半切フィルム(14″×17″)では、150-200μmがよく使われます。 200μm、ピクセルビット数が12bits、標準モードの場合、画像のデータサイズは約7.8MBで、スキャン時間は約6秒です。 また、150μm、高速モードの場合、画像のデータサイズは約13.4MBで、スキャン時間は約8秒です。

Windowsにもさまざまなバージョンがありますが、どれに対応していますか?

現在提供中のソフトウェアはWindows 10(32/64ビット版)、Windows 8.1(32/64ビット版)に対応しています。

PCのインターフェイスは何ですか?

USB2.0です。

普通どれくらいのピクセル間隔(細かさ)でスキャンするのですか?

半切(14″×17″)フィルムの場合は、150-200μm、マンモグラフィなどの8″×10″ のフィルムでしたら、50-100μm程度でスキャンする場合が多いようです。

オートフィーダーにはサイズの異なるフィルムを混在させることができますか?

現在販売している機種AF3は、異なるサイズのフィルムを混在させて、100枚までまとめてスキャンできます。ただし、次の点にご注意ください。

■ オートフィーダーでは、縦が19cm未満、横が15cm未満のフィルムはスキャンできません。
パノラマサイズ(15cm×30cm)のフィルムは他のサイズと混在させずに、縦長方向にセットしてスキャンしてください。

■ オートフィーダーを使用すると、フィルムの縦の長さが認識できないため、幅14インチのフィルムはすべて14″×17″ と認識されます。
ただし、使用するソフトによっては、スキャン後に14″×14″ と認識して空白部分を切り取る設定もあります。

■ プレスキャンは、オードフィーダでは利用できません。
手差しでご使用ください。

画像の濃さが薄いフィルムや濃いフィルムもスキャンできますか?

濃度範囲を0.0-2.0という設定にすれば、画像の濃さが薄いフィルムも階調豊かにスキャンすることができます。 また、濃度範囲を0.0-4.3(2905HDでは4.7)に設定すると、マンモグラフィや工業用のかなり濃いフィルムもスキャンすることができます。

ペーパーもスキャンできるのですか?

残念ながら、ペーパーをスキャンすることはできません。2905Mは透過型専用に設計されています。

パソコン本体のほかに何が必要ですか?

最近のパソコンの多くが外部インターフェイスとしてUSB2.0を標準装備していますので、2905Mにはそのまま接続できます。
ただ、使用環境や読み取る画像のデータサイズによっては、パソコンのメモリの増設が必要となる場合があります。目的や環境によっても違いますが、最低でも512MB程度のメモリの搭載をお勧めしています。

ドライバや表示ソフトはどこから入手するのですか?

ドライバと簡易表示ソフトはパッケージに含まれています。Dicom通信によるストアやプリントが必要な場合は、オプションのArray AOC Scan Optionを購入してください。

装置のウォーミングアップについて教えて下さい。

2905M本体は、電源投入後約1分で、使用できる状態になります。その後にパソコンを起動すると、通常合計2-3分程度でご使用できる状態になります。

サポート

2905Mをご利用のお客様からよくいただくご質問

起動・接続

電源が入らないのですが?

電源ケーブルがきちんと繋がっているか、本体後部にあるブレーカーがONになっているかどうかを確認してください。
確認後も電源が入らない場合は、営業担当者またはアレイのセールス・サポート部までお問い合わせください。

付属ソフトウェア

本体付属のScan Suiteでサポートしている画像データファイルの形式は何ですか?

本体付属のScan Suiteでは、次の形式の画像データファイルをサポートしています。

  • DICOM
  • 非可逆JPEGのDICOM
  • JPEG
  • TIFF
  • PGM(モノクロのみ)
  • BMP(8bitsのみ)
  • RAW(Windows、Mac)

画質

スキャンした画像に縦の白い線が入っているのですが?

本体の集光部分であるキャビティに、ゴミが入っている恐れがあります。営業担当者またはアレイのセールス・サポート部までお問い合わせください。

スキャンした画像にモアレ(元の画像にはない粗い模様のようなパターン)が入っているのですが?

ご利用のソフトウェアによって対処方法が異なります。
Scan Modeにモアレ低減モードがある場合は、モアレ低減モードを選んでスキャンすると、モアレを低減できます。
Scan Modeにモアレ低減モードがない場合は、サンプリングピッチを変更するか、Scan Modeを高画質モードにすることによって、モアレを低減できる場合があります。
詳細は営業担当者またはアレイのセールス・サポート部までお問い合わせください。

スキャン

フィルムが中に入り込んで詰まってしまったのですが?

Ejectボタンを軽く押すと正方向(フィルム排出口)に、長く押すと逆方向(フィルム挿入口)に排出されます。
それでもフィルムが中に入ったまま取れない場合は、専門エンジニアのサービスが必要です(その場合、通常は有償扱いとなります)。
詳細は営業担当者またはアレイのセールス・サポート部までお問い合わせください。

小さいフィルムを読むときはどうすればよいですか?

小さいフィルムをスキャンする場合は、透明なホルダーに挟んでスキャンするとよいでしょう。
なお、縦の長さが19cm未満のフィルムは絶対にスキャンしないでください。

その他

近くにサービスステーションがありますか?

販売サービス店が全国規模で展開しています。
詳細は営業担当者またはアレイのセールス・サポート部までお問い合わせください。

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