2015年にDRLs2015が発表されたことに伴って「線量管理」という言葉が少しずつ知られるようになりました。そして2018年の診療報酬改定で線量管理が盛り込まれたことや、厚生労働省により2020年に線量管理が義務化されることが検討されていることで、すべての病院が具体的に行動を起こしていく段階になりました。
アレイが線量管理ソフトウェアRadamès(ラダメス)を販売開始したのは2015年ですが、最近になってとくに需要が増えてきています。 最終的にどのように線量管理をしていくのが良いのか、現状では明確な指針が出たとは言いきれませんが、いまRadamèsを導入していただくことは、これからの線量管理のあり方を考えていくうえでの一助になると思います。
概要
特長
検像システムと連動
Radamèsは、アレイの検像システムQuartina(クアルティーナ)のオプションとして販売しています。Quaritinaは、CTなどの装置から受信した画像やRDSR(Radiation Dose Structured Report)のDICOMデータを自動的にRadamèsに渡します。このときユーザーが操作する必要はありません。
すでにQuartinaをご利用いただいているところにRadamèsを追加する場合は、画像診断装置との接続に変更はないので新たな接続費用が発生しないというメリットがあります。またもし検像機能が不要な場合は、DICOMのQuery/Retrieveを使って線量情報を取得できます。
さまざまなモダリティに対応
2018年現在検討されている、いわゆる「線量管理の義務化」の対象モダリティであるCT、透視、核医学はもちろん、ほかにも一般撮影とマンモグラフィに対応しています。RDSRを出す機能がない診断装置については、画像データから情報を取得できます。
臓器線量の取得
線量管理として現在必要とされているのは物理量の収集・記録です。将来はそれ以外も必要になると予想されますが、何が必要となっても対応できるよう、まずは物理量を的確に保存しておくこと、そして必要に応じていつでも情報を見たり、出力したりできるようにしておくことが基本です。
今後必要になることとしてまず考えられるのは、人体への影響の把握です。Radamèsは放射線医学研究所の「WAZA-ARIv2」の計算プログラムとオンラインで連携し、臓器線量が算出できます。RadamèsはRDSRなどから臓器線量の計算に必要な情報を抽出して「WAZA-ARIv2」に送り、返ってきた臓器線量を表示・蓄積します。
RISとの連携
Radamèsは、線量情報の収集にDICOM画像データとRDSRデータを使いますが、それだけでは情報が不足する場合があります。また線量情報も検査の情報の一部としてRISで一元管理したいというご要望もあります。そのためRadamèsはRISと通信して必要な情報を補完したり、撮影条件や線量情報をRISに渡したりといったことができます。また、RISと接続することでオーダからJJ1017などの撮影コードが取得できます。撮影マスタを保持し、取得した撮影コードと紐づけることによって、プロトコルごとに線量管理ができるようになります。
機能
- Array Quartinaと連携し、線量情報を自動収集
- 画像・RDSRからデータを取得
- 放射線医学総合研究所のWAZA-ARIv2と連携して臓器線量を取得
- 線量トラッキング機能
- 施設ごとの撮影マスタを保持し、プロトコル単位で集計
- RISと連携し、情報を補完
仕様
Radamèsを快適にご使用いただくための推奨動作環境は、下の表の通りです。
(RadamèsはQuartinaのオプションとして動作するので、動作環境はQuartinaに準拠します。)
スタンドアロン版
OS |
Windows 11 Pro 以上 Windows 10 Pro 以上(64bit版) |
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CPU | Intel Xeon W-2102または同等以上 |
メモリ | 16Gb以上 |
ストレージ | SSD500Gb以上 |
ディスプレイ | 1280×1024ピクセル以上表示可能なディスプレイ |
リモート版(Quartina Banda)サーバー
OS |
Windows Server 2019 Standard以上 Windows Server 2016 Standard以上 |
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CPU | Intel Xeon W-2102または同等以上 |
メモリ | 32Gb以上 |
ストレージ | SSD1Tb以上 |
リモート版(Quartina Banda)クライアント
OS |
Windows 11 Pro 以上 Windows 10 Pro 以上(64bit版) |
---|---|
CPU | Intel Xeon W-2102または同等以上 |
メモリ | 8GB以上 |
ハードディスク | 指定なし |
ディスプレイ | 1280×1024ピクセル以上表示可能なディスプレイ |
(Microsoft .Net Framework 4.5以上が必要です。)